1998.07.15 11:00 自宅出発・下田へ向け車で移動
16:00-20:00 チェックイン・選手登録・ウエルカムパーティ
1998.07.16 06:00 開会式
07:00 乗船開始・指定海域待機
07:45 スタートフィッシング
15:00 ストップフィッシング
1998.07.17 07:00 乗船開始・指定海域待機
07:45 スタートフィッシング
15:00 ストップフィッシング
1998.07.18 07:00 乗船開始・指定海域待機
07:45 スタートフィッシング
14:00 ストップフィッシング
18:30-21:30 表彰式・パーティー
1998.07.19 07:00 家に帰ろう


7月15日(水) 晴れ

 14時半、下田港に到着。船で寝泊まりする予定だったが、クルーが増えた関係でホテルを取ることになる。歩いて行ける「下田温泉ホテル・はなみさき」(字がない)にチェックイン。その後みんなで前夜祭に行く。600人の仲間が盛り上がるこの会は、間違いなく1年でいちばん幸せなとき。数億する船のオーナーが露店で寿司握っていたりする。勝浦の大会で仲良しになった岡山の「チーム現代」のおでんブースの裏で盛り上がるが、すぐそばに来たおねーちゃん(美形・推定26歳)を見てびびる。こいつ、でかいぞ・・・。隙を見て話しかけると、ぬわんと70フィートのメガヨットにヘリコプター積んで遊びに来てるらしい。おねーちゃんはオーナー兼ヘリのパイロット。何者だこいつは・・・。身長177cm(!!)で仲間内で釣り合うのは僕だけ。並んで立ってみて目線が同じ・・・、手強いぞ。うちのオーナーから「行け!」のサインが出るも、下手なことすりゃ冗談じゃなくコンクリ詰めで下田の魚礁になってしまうのでびびってパス。ああ生きてるって素晴らしい。

 船に戻ってしこたま飲んで11時に沈没。



7月16日(木) 雨 波高2m

 朝から雨。しかも肌寒く、まさか7月中旬のトーナメントで長袖が必要だなんて夢にも思っていないから持ってきていない。半袖シャツと短パンで船に乗る。乗ってすぐ後悔。寒い・・・。失敗した。しょうがないので雨の中ずぶぬれで作業するが、寒さでふるえが止まらないほどだった。スタートして30分走ったらもうポイント。すぐにルアーを流し始める。それから30分くらいするとヒットコールの嵐!!なんだこれは!うちはシイラのヒットすらなく時間だけが流れてゆく。結局そのままノーヒットでストップフィッシング。

 港に戻って反省会。ヒットルアーを見に行くと、なんと土佐の晴天の本流で食わせるようなドでかい奴にばかりきている。天気悪いし小潮だし、サイズ落とした作戦ミスだったかも・・・。明日はいつもの調子でいくぞ!と誓い、中華料理屋でしこたま晩飯食って、チャットしてメールしてHP書いてすぐ就寝。明日こそカジキをやっつけるぞ!



7月17日(金) 雨 波高3m

 朝からすごい風と雨。強風波浪注意報が出てしまい7時30分に今日の競技中止が決定する。やることがないのでメンバー全員(6人)で車(5人乗り)に乗って伊東までドライブしてお土産の買い出し。トビウオの干した奴とかワサビ入り青海苔などという珍しいものを買い込む。こりゃいいわ。帰りに下田駅前でトンカツ屋に入って「勝つ」を食う。へべれけに飲んで(昼間っから・・・)船に戻り、更に水割りで盛り上がってオーナーは沈没。ホテルのチェックアウト作業があるので一度戻ってきてこの原稿書いて、これから昼寝。あとでストリップに連れてってくれる話だったが、胃のもたれのせいで話はどっか消えた。風俗童貞は守られたのであった(笑)。

 他のことをあれこれと考えていたら、なんだか面倒くさくなってきた。血が騒ぐに任せて、明日はすべての思いをカジキ釣り1本に賭けよう。泣いても笑ってもあと1日なのだから。今日この1日のお休みは、自分らしくあるためにも意味のあるものだった。

 明日は何があっても完全燃焼。



7月18日(土) 晴れ 波高2m

 やっと晴天。今回のポイントはアオネ周辺。スタート後7マイルでもうポイント。素晴らしいスピードで直行して1番に流し始める。絶対ここでいいはずだ。流し初めて20分後、友達の船「ビーフラット5」からヒットコール!場所は1マイル以内のすぐ近くだ。しかし状況を聞いて驚く。なんと彼らは50ポンドラインで流している。やられた・・・。彼らの船は通常は80ポンドタックルしか使わないのだが、ギャンブルに出たのだろう。これをタグ&リリースすると、ファーストマーリンポイント含めてぶっちぎりのトップに躍り出ることになる。30分後に見事にタグコール。彼らがハワイへの最短距離にいる。一歩間違えば自分もそこにいたかと思うと複雑な心境だ。他にもヒットがあるがラインブレイクが非常に多い。昨日1日、リールを雨に打たせていたチームは、中に雨水が入ってグリスが固くなっているのだろう。ドラグ調整やり直さなきゃ駄目だよな。

 肝心の自分らのチームの事を書き忘れていた。大ぼけ。とにかく70チーム近くが3マイル四方の海域でトローリングをしているので、カジキが当たるかどうかは完全に運まかせ。魚もナーバスになってしまっているので、もう誰が食わせるのか全くわからない。うちのルアーはコナ系が多く、僕が見てもサイズが合わない。自分のルアーバッグ持ってきていないから、サバ系のピンクやオレンジの入ったスカートのルアーが全くないのが残念だ。でもこんなのは四国じゃほとんど使わないからしょうがないか。僕が持ち込んだ須崎の漁師特注色のイカにヒットがあるもフックアップせず。完全にお手上げでタイムアップ。

 肝心の試合の方は、232kgという日本記録を釣ったチームが優勝。ビーフラットは数ポイント差で逆転され2位だった。それでも、表彰式での彼らの笑顔は文句なく最高だった。本当におめでとう。

 式のあと深夜まで下田で飲み歩いて船に戻ってゴロ寝(爆睡)。



7月19日(日) 晴れ

 朝5時起床。ドンピエロはそのまますさみまで直行して少し流してみるらしい。僕は車で東京へ。混雑する前に気合いで走って、12時品川到着。いまこうやってHPの原稿を書いている。3週間のトーナメント行脚はこれですべて終わった。いろいろなことがあったけれど、文句なく楽しかった。勉強になった。大丈夫、次はもっともっと良い戦いが出来るはずだ。船の作り方、ルアーの種類と流し方、それに戦術の組み立て方。現場でしか学べないことを沢山吸収出来たと思う。来月末の玄界灘で、自分なりの答えを出してみたい。それが終わったら一区切りつけ、初心に帰って、すべてを見直そう。そして来年もう一度、下田目指してチャレンジしよう、、、自分の船で!

 本当に幸せな3週間だった。出会ったすべての人に感謝。



追記:いまも夢に見るほど黒潮が恋しい。



前夜祭での記念写真。前列中央が「現代」のオーナー、右が「ドンピエロ」の宮脇オーナー。後列の女性はミス・ビルフィッシュ。

生バンドが入って盛り上がる。こんな状況で「海に抱かれて〜」なんてやられた日にゃ涙出てくる。

謎のおねーちゃんと宮脇オーナー。肩幅が同じだぞ・・・。僕と並んで撮った写真は宮脇さんのカメラだった。貰ってこなきゃ。

どでかい70フィートのクルーザーからおねーちゃんのヘリが飛び立った瞬間。向こうに見えるのはAquariusと同じサイズの船。大きさの違いがよくわかる。

現代の露店を手伝うドンピエロの鈴木さん。「さー、おでんおでん。冷たいおでんだよ〜」と呼び込みしていた・・・。こわいよー。

1日目のスタート直前。風が強くしかも寒かった。自分が写っている数少ない写真。